【コーチング】最強のコミュニケーション手法を救急救命士が徹底解説!!

上司が全然話を聞いてくれない。部下に話しかけても反応が悪い。あの人といるとなぜだか居心地が悪い。

このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

人間関係を円滑に保つためには日々のコミュニケーションが欠かせません。

特に24時間勤務の消防救急救命士にとって人間関係の善し悪しが仕事に大きく影響します。

この記事では最強のコミュニケーション手法である「コーチング」について解説します。

この記事を読んでわかること

救急救命士に必要なコーチングとは何か

職場におけるコーチングスキル活用方法

救急救命士エピソード紹介

KID
KID

こんにちは民間救急救命士歴15年、元消防士のKIDです。

現在はコーチングの指導者として社内講師も務めています。

心理学者アドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と定義づけました。

そして対人関係の悩みのほとんどはコミュニケーションに関係しています。

実際、私も職場でのコミュニケーションには長年苦しめられてきました。

今回の記事では私が実践しているコーチングについてご紹介します。

アドラー心理学について知りたい方は事らの記事をご覧ください。

救急救命士に必要なコーチングとは何か

皆さんがコーチングと聞いて最初に思い浮かぶのは、おそらく野球やサッカーなどのスポーツにおけるコーチだと思います。

しかし、スポーツにおけるコーチは技術を教える人。すなわち「ティーチング」を行っているのです。

そういう意味では消防での救急訓練や一般市民への救急講習もティーチングに当たりますね。

コーチングとは会話の中で相手の話を聴き、認め、問いかけることで相手が本来持っている力や可能性を最大限に発揮できるようサポートするコミュニケーション技術

この技術を身につけ日々実践できれば職場内のコミュニケーションは劇的に向上します。

コーチング3大スキル

傾聴

承認

質問

職場はもちろんのこと救急現場での問診や傷病者、家族とのやりとりでも活用できるコーチングの「傾聴」「承認」「質問」3大スキル。

この3つが上手く作用するとそこには相手との信頼関係が生まれます

上司と部下、救急救命士と傷病者、立場は違えど信頼関係なしにコミュニケーションの向上ははかれません。

それでは詳しいコーチングスキルの活用方法をご紹介します。

きずな
きずな

救命士さんにもコミュニケーションて大切なんだね。

パパはいつも僕に質問したり話をしっかり聴いて褒めてくれるけどこれもコーチングなの??

KID
KID

そうだよ。コーチングのスキルには「傾聴」「承認」「質問」があるんだけど、

仕事だけじゃなく意識して生活の中でも使っているんだ!

ここからはコーチングスキルについて詳しく解説していくからね。

コーチングスキル①「傾聴」

コーチングスキルの中でも一番大切なのがこの傾聴

職場で上司や部下の話を適当に聞き流していませんか?

相手の話を真摯な姿勢でしっかり聴くこと。ここからコミュニケーションがスタートします。

実は日本語には3種類の「きく」が存在します。

3種類のきく

訊く:自分のききたいことを訪ねること

聞く:音が耳にきこえていること

聴く:積極的に耳を傾けきいていること

コーチングスキルである傾聴とは相手の話に耳を傾け積極的な姿勢で聴くことです。

しっかり相手とアイコンタクトしながらうなずき、時には「そうだね」や「凄いね」などの相づちを入れるとコミュニケーションがより活発化しますよ。

きずな
きずな

傾聴かぁ、確かにしっかりお話を聞いてくれる人とはもっとおしゃべりしたくなっちゃう!

KID
KID

コミュニケーション力の高い人は聞き上手な人が多いよね

積極的に話を聴くと信頼関係構築にも役立つよ!

コーチングスキル②「承認」

承認とは相手の考え、行動、発言すべてを認めることです。

承認することで相手は承認欲求が満たされ、認めてくれた相手に好意を抱きます。

この承認という行為は消防士にとって一番苦手な分野なのではないでしょうか?

部下を褒めるとつけ上がる。後輩に負けたくないので悪いところばかり指摘する。あいつの意見なんて最初から求めていない。上下関係が強固な組織ほどこの承認のハードルが高くなる傾向があります。

承認には3種類の伝え方があります。

3つのメッセージ

YOUメッセージ:メッセージの主語が「あなた」

Iメッセージ:メッセージの主語が「わたし」

WEメッセージ:メッセージの主語が「組織」「第三者」

普段皆さんが使っている承認の95%はYOUメッセージで行われています。

YOUメッセージには相手を評価する気持ちが含まれるので上から目線になりがち。

コミュニケーション向上を目的とした会話では意識してIメッセージ、WEメッセージを使いましょう。

後ほど具体的な活用方法をご紹介します。

きずな
きずな

YOUメッセージ?Iメッセージ??

なんだか難しそうだなぁ。

KID
KID

最初は難しく感じるかも知れないけど慣れれば大丈夫!

語尾を少し変えるだけで伝わる印象はガラッと変わるよ。

コーチングスキル③「質問」

質問のスキルを上手く使えると相手に「気づき」や「自発的な行動」を促すことができます

消防でよく聞く「あいつは気が使えない」や「若いやつは指示がないと動けない」という言葉。

良くない質問をすることで実は知らず知らずのうちにそういう人間をあなたが作っているのかも知れません。

質問には対照的な6つの方法があります。

良い質問良くない質問
拡大質問特定質問
未来質問過去質問
肯定質問否定質問

良い質問は相手を前向きにしてモチベーションを上げることができます

逆に良くない質問は相手のミスを責めたり改善に繋がらない質問です。

良くない質問が積み重なると相手は防衛本能としてあなたの言葉に耳を傾けなくなり、そのうちコミュニケーションさえ取れなくなっていくでしょう。

質問は諸刃の剣。上手に使いこなしてコミュニケーション向上の武器にしたいですね。

モチベーションのコントロールを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

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きずな
きずな

質問っていろんな種類があるんだね。

テストの成績が悪かった時に「なんで」「どうして」って責められたら泣いちゃうかも。

KID
KID

なぜ点数が悪かったの?ではなく、どうすれば点数を上げられると思う?

こういう質問が相手を成長させる良い質問だよ。

救急活動の振り返りなんかでも使えるテクニックだよね!!

職場におけるコーチングスキル活用方法

ここまでコーチングのスキルを学んできましたが、実はスキルだけを身につけてもコーチングは上手く作用しません

なぜなら信頼関係がなければコミュニケーション自体が成り立たないからです。

心理学の世界では「ラポール」という言葉が良く使われます。これはフランス語が語源で「心が通い合う関係」という意味です。

24時間生活を共にし、時には命を預け合う仲間とはこのラポール形成は必須事項。

ここでは救急活動の振り返りを例にコーチングスキルの活用方法をご紹介します。

傾聴スキルの使い方

傾聴はラポールを築く上で礎となる重要なスキルです。

うなずき、相づち、アイコンタクトという基本的な傾聴スキルはもちろん、繰り返しや言い換え、うながしができるとより積極的な傾聴となります。

部下を成長させたいなら指導するのではなく、双方向性の会話の中から自ら気づかせる必要があります

これができれば部下は潜在能力が引き出されるので自分から学び成長していくでしょう。

それでは会話形式で良い傾聴とは何かを確認してみましょう。

後輩くん
後輩くん

先輩さん、先ほどの救急活動で気がついたことがあるので聴いていただけますか?

先輩さん
先輩さん

救急活動で気がついたことがあるんだね。

是非聴いてみたいな。(繰り返し・うながし)

後輩くん
後輩くん

ありがとうございます。

先ほどの傷病者ですが激しい胸痛があり血圧も低かったので搬送中に心肺停止に陥る可能性があります。現場でAEDのパットを装着した方が良かったのではないでしょうか?

先輩さん
先輩さん

なるほど、心肺停止になった時に早期に電気ショックをするためだね。(言い換え)

後輩くん
後輩くん

はい。今気がついたのですが事前にパットを張っていれば心肺停止にもすぐ気がつけるので活動のメリットが大きいと思うんです。

先輩さん
先輩さん

良いところに気がついたね。

今後、同じような症例があったら事前にAEDのパットを張るようみんなにも共有しておくよ。

ありがとう。

先輩さんは後輩くんの意見をしっかり傾聴し、「繰り返し」「言い換え」「うながし」を使って双方向性の会話を行っています

会話の中で後輩くんはパットの装着が心肺停止の早期発見にも役立つということに気がつきました。

先輩さんが傾聴することにより後輩くんの潜在意識の中にあった答えが顕在化したのです。

承認スキルの使い方

承認は相手の欲求にダイレクトに作用するので、上手く使えると信頼関係構築に役立ちます

主語をあなたではなく、私や第三者に変えるだけで受け手の印象は大きく変わるので意識してIメッセージ、WEメッセージになるよう承認してみましょう。

承認欲求が満たされた部下は自己実現欲求が出てくるので、自分で考え行動する人材に育っていきます。

それでは会話形式で良い承認とは何かを確認してみましょう。

先輩さん
先輩さん

後輩くん、さっきの救急活動だけど傷病者への声かけとても良かったよ。(YOUメッセージ)

横で聴いていたけど傷病者や家族はとても心強かったと思うな。(Iメッセージ)

後輩くん
後輩くん

ありがとうございます。

初めての救急搬送でとても不安そうに見えたので丁寧な説明を心がけました。

先輩さん
先輩さん

この前、係長も後輩くんが最近急成長しているって褒めていたよ。(WEメッセージ)

後輩くん
後輩くん

ホントですか?

僕も早く先輩さんのような立派な救急隊員になれるよう頑張ります!!

先輩さんは後輩くんに対してIメッセージやWEメッセージを使って積極的に承認を行いました。

後輩くんは先輩さんや係長が自分を認めてくれていることを認識しモチベーションが上がったので、今後の救急活動でも更に頑張ってくれることでしょう。

自分を認めてくれる人を嫌いになる人はいません。後輩との人間関係に悩んでいる人は是非この承認を意識して使ってみてください。

傾聴と承認を使って人を動かす原則を知りたい方は是非こちらの記事をご覧ください。

質問スキルの使い方

質問は使い方しだいで毒にも薬にもなります。

消防では「どうして」「なぜ」のような過去質問、否定質問が多く使われる傾向があると思います。

時にはこのような質問も有効ですが、使いすぎると相手は言い訳ばかりを考えて前に進めません。

拡大質問、未来質問、肯定質問を意識すると例えネガティブな話題でも相手は前向きに捉えることができます

それでは会話形式で良い質問とは何か確認してみましょう。

先輩さん
先輩さん

後輩くん、さっきの救急搬送で気がついたことを教えてくれるかい?(拡大質問)

後輩くん
後輩くん

搬送先病院が直近にあったのに処置に時間がかかりすぎて結果的に搬送が遅れてしまいました。

先輩さん
先輩さん

確かにそうだね。じゃあ、次に更に良い活動をするにはどうすればいいと思う?(未来・肯定質問)

後輩くん
後輩くん

病院選定をしてくれる隊長との意思疎通、現場と病院との位置関係を事前に把握しておく。

この2つについて気を付けたいと思います。

先輩さんは搬送の遅れに気がついていましたが、拡大質問、未来質問、肯定質問をすることで後輩くんの気づきを引き出しました

人は相手から指摘された事項より自分で気がついたことの方が長く頭に残ります。

このような相手を育てる質問ができれば後輩の成長を実感できるでしょう。相手も自分を成長させてくれる存在としてあなたに信頼を寄せるようになります。

新しいリーダーシップについて知りたい方はこちらの記事をご確認ください。

きずな
きずな

傾聴、承認、質問ってこんな効果があるんだね!

僕もお友達の話を良く聴いて、いいところを認めてたくさん質問するようにするよ。

KID
KID

コーチングのこれらのスキルは日常生活にも十分応用できる。

少し意識するだけでコミュニケーションのあり方が劇的に変わると思うよ!

救急救命士エピソード紹介

職場での人間関係。これは組織で働く人間の永遠の課題です

先輩との関係が悪くて職場に行きたくない、後輩が何を考えているのかわからない。

消防救急救命士の方々と話をしていると必ずこれらの悩みを耳にします。

実は私も過去に後輩との関係性に悩んでいた時期がありました。

私がコーチングのスキルを使ってどのように後輩との関係を改善したのかQ&A形式でご紹介します。

どうして後輩との関係性が悪くなったの?
現在の職場で救命士専門学校の一期下の後輩ができたのですが、彼はプライドが高いのかこちらの指示は完全スルー。組織にも馴染もうとしませんでした。教育係としてその態度を厳しく叱責することもありましたが、それが逆効果となり関係は悪くなるばかり。困り果てていた所にコーチングの存在を知りました。
どうやって関係を改善したの?
コーチング研修を受講して「傾聴」「承認」「質問」の重要性を学び後輩に実践してみることにしました。今までは後輩の悪い部分ばかりが目に付いていたのですが、よく観察すると彼は現場活動は苦手だが事務仕事は堅実にこなすということがわかりました。そこで事務仕事のできについて意識して承認することにしたのです。それを続けていると徐々に後輩の態度に変化が見え始めました。
どんな風に変わったの?
職場の仲間全員に心を閉ざしていた後輩でしたが、少しずつですが私に対しては心を開くようになったのです。彼の話を聴きながらなぜ職場の仲間と交流しないのかと尋ねると、新人の頃からいろんな先輩に怒られ続けて職場にいることが怖くなっていることを打ち明けてくれました。その後もコーチングのスキルを使いながらコミュニケーションを続けることで後輩は本来の明るさを取り戻していきました。
きずな
きずな

後輩さんたくさん叱られて自信を無くしていたんだね。

パパがたくさん話しかけることで元気になって良かったよ。

コーチングのおかげで後輩さんとのラポールが構築できたんだね!

KID
KID

そうだね。彼の良さを承認することで信頼関係を構築できたのが大きかったな。

今ではその高い事務処理能力で上司からも高く評価されているんだよ。

コーチングのコミュニケーションが上手く作用した良い事例だね。

まとめ

point

コーチングは相手の持っている力を引き出すコミュニケーション技法

コーチングスキルには「傾聴」「承認」「質問」がある

信頼関係(ラポール)がないとコーチングは上手く作用しない

今回は人間関係を円滑にするコミュニケーション技法としてコーチングをご紹介しました。

コーチングは本来1対1で問題解決として行うのですが、日常のコミュニケーションでも十分応用可能です。

今、消防における伝統的な上下関係は過渡期に入っています。

パワハラやモラハラが問題化し、先輩、後輩の関係性は確実に変わってきました。

相手を変えることはできません。変えられるのは自分だけ。しかし自分が変われば周りも変わるのです。

今回ご紹介したコーチングスキルであなたの職場の人間関係が少しでも向上したならこんな幸せなことはありません。

KID
KID

救急救命士のコミュニケーション問題。

これからは従来の上意下達であるトップダウン型ではなく部下を積極的に支援していくサーバント型のリーダシップが求められてくるでしょう。

コーチングはまさにこれからの消防組織に欠かせない技術になると思います。

消防士の様々な仕事や転職のメリット・デメリットを知りたい方は下の記事をご覧ください。

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2 COMMENTS

コウ

おもしろいですね。無意識にコーチングが出来てる人も居るだろうけど、ほとんどの人は出来ていない。でも、練習すれば、誰でも出来そうですね。

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KID

コウさん
メッセージありがとうございます。
コーチングは確実にコミュニケーションを向上させるのですべての消防機関に取り入れてもらいたいです。
そうすればきっと職場は良くなりますよ!!

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